ゆるやかに、日は

酒のみ

ふとしたきっかけで面白そうな絵巻に出会った。
「酒飯論絵巻」
16世紀に制作され、狩野元信の筆になるものと、土佐光元によるものがあり、その模写本や異本が多数存在するらしい。

絵巻主人公は三人。
酒好きの公家・造酒正糟屋朝臣長持(みきのじょうかすやあそんながもち)、飯好きの僧侶・飯室律師好飯(いいむろりっしこうはん)、酒も飯もまあまあと中庸派の武士・中左衛門大夫中原仲成(ちゅうざえもんだゆうなかはらなかなり)である。
4部構成になっており、第一段に三人の紹介、第二段では酒の徳、第三段では飯やおかず、茶の面白さ、第四段ではどちらもほどほどがよいと語られる。
また、関連する絵巻も沢山あるらしい。

酒好き、飯好きの私としてはとても興味をそそられる絵巻だが、まだまだ詳しく説明する程には鑑賞していないので、むしろ詳しい人に教えを蒙りたい。
ふとしたきっかけだが、京都の「茶道資料館」10月6日から12月4日まで「酒飯論絵巻」展が開かれていたようだ。そのポスターが手に入って、その絵柄に惹かれ、今は事務所の壁に貼ってある。

三人の言い合いを期待するのは的はずれのようで、
絵巻2絵巻の絵をのんびりと見たいものだ、
解説本ではかなり酷いことを、関連する絵巻で展開しているものもあるようだが、当時の生活ぶりが少し見えるようで、そこに注目している。

公家、僧侶と武士。16世紀、新興の武士は控えめに、公家と僧侶は自分の願望を率直に表現できた時代であったとことの証しでもある。

絵巻とともに詞書をもう少し読みたいと思っている。