トンボと電車

鴨駅までの路の両側に30-40m位、稲田がある。
朝しか、歩きながらゆっくり見ることはないが、稲穂が垂れ、色づく時期になった。もうこうなると収穫まで、カウントダウンの状態といっていい。この風のなかには、トンボに群れや雀に鳴き声などが溢れていたような記憶があるが、シーンと静まりかえっている。すくなくとも此処は。
この国の田んぼは四角で区切られて、水平に広がっているのが多い。写真を撮ったら一番つまらない風景だ。写真集などになっているのは、扇型になったりして段差のある棚田の風景が多いと聞いたことがある。棚田は機械の入りにくい、いかにも手間のかかるような田んぼだ。
稲刈りはとにかく腰を酷使する作業だ。

12月8日。この国がアメリカの真珠湾を奇襲、開戦した日。
その日の生に近い声を綴った本を読んだ。ほとんどが良く知られた、著名人という人たちだ。評価は分かれることはあっても、戦争の愚かしさはわかったいるつもりだと思う。
その場にいたら………..こんな人まで。と思う。
長く閉塞された状態から解き放たれたような言葉で開戦をバンザイで迎えるのは庶民だけではなかった。少数のものだけの空気ではなかった。
これは、敗戦で変わるような心のありようではない、と暗い思いになる。
どうして、同じ方向を向いてしまうのだろう。
自分の読書範囲が狭まってしまいそう。

もっと小さい腹立ち。
新書版で、少なくても社会人向けの一般書。最初は気にも留めずに読んでいた私が鈍感でした。なんと著者が大事だと思うところにグレーの網をかけているのだ。1ページに何か所もあるのもまれではない。まるで、試験に出るところだよ、とか大事だから線を引いときましたよと言わんばかり。
「ばっかじゃなかろうか」
こんな勘違い野郎がいるから、どこまでも横並びのまま。
本で教えようとするなよ、と言いたい。
慌てて、著者の経歴をみたら、50歳少し前。
寂しい中年であった。
それにしても、出版社よ白い本をくれ。

血圧ががりそうな時間でした
お気を付けあれ