奇跡の本屋

困惑

「なぜだ!?売れない文庫フェア」
「中高生はこれを読め! 」
こんなことを仕掛けていた本屋が札幌にあったという。琴似というと遠い昔、私が住んでいたのは新琴似なので、名前は近いが大分離れていた。
親の代からのいわゆる町の本屋さんで、時流に」対するアンチテーゼだった。大型書店の押される形で町の本屋さんが姿を消してしまうのはこの国のいたるところで見られること。また、軒並み売れる本した並らばない本屋もほとんどだ。
そんな中で上記のようなフェアを仕掛け、品切れ、絶版などの本を店頭に並べる。読書家にとってはたまらない品揃いの筈だ。1冊の文庫本のために数軒もの本屋を回った経験のある人なら、羨ましくも嬉しいフェアを思い浮かべるに違いない。
それが、札幌の「くすみ書房」。店主はすでに逝去。そして、本屋も今はない。
本は大好きだけど、本屋の経営にはずっと素人だったような店主の生き様が良く伝わってくるような気がする。
本本彼の並べた書棚、目録でしか見たことのない書名の本。決して高価ではないけど、本屋では見たことがない本。それを想像するだけでたぶん、この本屋を覗いてみる価値があると確信する。
欲しい本が、古本でもないのにAmazonでしか買えないというのはあまりに文化度が低い国だと言われても否定できないと思う。

<補足>
7、8年前までは、隣駅、駅ロータリ前の本屋の品揃いに少し特色があって、時々覗いたもの。心理学の専門書近いものや哲学の本があったり、狭い店内に美術本まであった。特に、その頃に評判になっていたわけでもなく、書店側の好みとしか言いようのない傾向が読み取れて好ましかった。(私には)
やがて、文庫が増え、タレント本が置かれ、ベストセラー本の同じ帯が並び始めると、後は”奈落の底”へ。そして、私の足は遠のいてしまった。それでも、時々”復活”を夢見て覗いてみるが、素通りするのが関の山。

それでも、二百歩譲って、まだ本屋があることはありがたいことだと思う。

 

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