サラリーの味

グローバル

日産の復活の象徴だったゴーンさんが逮捕された。
約20億の年収を約10億に記載した過去の虚偽記載が主な逮捕理由らしい。詳しくは報道がしばらくはこれがトップにくるだろうから、そちらで情報を仕入れて欲しい。それにしても、ため息の出る金額だ。グローバル企業のトップとしては当たり前らしいが。

調べてみると、2017年日本の平均年収は429万円。世界で見ると18位というところのようだ。
1位はスイス(1073万円)、2位ノルウェー(921万円)、3位ルクセンブルク(899万円)がトップツリー。
アメリカは8位(645万円)、イギリス12位(614万円)、ドイツ15位(547万円)、フランス16位(541万円)というところで、日本はその下という訳だ。
ただ、気になるのは、日本の場合20年前は465万円だったものが下がっているということ。バブルの頃は、春になると新入社員の初任給がいくらになったが大きな話題になったものだが、最近ではニュースにもならなくなってしまった。

グローバル企業を目指して、トップに海外の人材を据えることはすっかり普通のことになってしまい、それにしたがってトップの年収も世界水準になってきているのかもしれないが、そこで働く人たちはその影響を受けている気配がない。
ポチ2018年企業の内部留保は10%近く伸びて、446兆円になったという。目先の蓄財に執心しているさまが露骨である。働き改革で抑えた人件費も蓄財に一役買っているのかと思うとなにをかいわんやだ。

平均年収の話に戻すと、男性が520万円で女性が276万円となるようだ。少しややこしいが、これはあくまで正規分布した場合の数字での中央値。
「平均より稼いでいる人より、稼いでいない人の方が約1.6倍多い」のが現実のようなので、そうすると中央値は370万円(男性:455万、女性:245万)になるよう。どうやら、これが実感に近い数字かもしれない。

今、国会で議論している技術実習生はもっと低い年収になるだろう。
よく、「本国でもらう給与よりぐんと高いのだから、文句はないだろう」などというコメントを聞く。
彼らは、居るのは本国とは比べようもない程高い住宅費や食費、公共料金の必要な日本だという基本的な前提が抜け落ちているのではないか。
搾取のスパイラルを断ち切れるチャンスだ。逆転の気運が必要な時だという気がする。