パブロフの犬

迷える犬

イワン・パブロフが20世紀初めに実験結果として発表。
犬に餌を与える時、ベルを鳴らしてから与える。それを繰り返していると、ベルを鳴らすだけで犬が涎(よだれ)を垂らすようになる。「条件反射」として知られている現象だ。
人間でも、「梅干をみたら唾がでる」といったような反応などもそれに近い。
だが、動物と人間の違いは、人間が刺激と反応の間に選択の自由を持っているというところにあるといわれている。条件反射の存在に気づくことで、選択の自由を得ることができるということになる。

しかし、昨今の現実をみると果たしてそうだろうか。
人手が足りなければ、外から連れてきたらいい。好んで来る程、この国は今魅力あるものを提示できるのだろうか。

まず、私たちの足元をしっかり認識することからこの問題を考えなければならないだろう。
時計20数年前と変わらぬ給与と不安定な雇用状況。
1000円を越えてまるで、念願かなったような最低賃金。
200万や300万の年収層が大半の労働者。

世界第3位の経済大国の幻想から、上も下も目覚めて、新しい社会作りを模索すべきだろう。
そして、新しい船には新しい水夫が必要だ。