散りゆく、さまざま

メダカ

菊池選手のマリナーズ移籍が決まった。
年俸での評価・期待度がどれくらいなのか、わかりかねるが、今後に期待したいところだ。昨年の大谷選手の発信度がどれだけの刺激になっているのか注目されるところ。
その話題に隠れるように、でも新聞には顔写真付きでイチローのマイナー契約が報じられている。日本での開幕戦でイチローを選手として参加させて、日本での集客を見込んでの明らかな広告戦略なのは明らか。イチローもそれは十分わかっていての契約だから、外野からツベコベ言うことではないだろう。
ただ、評価は別として、またスポーツ選手としての対応は保留して、生き方の問題として十分考えてみる価値はあるのだろう。従来は、余力があるような状態でスパッと退くことが潔いと称賛されがちだったような気がする。
しかし、一般的にはこれだけ老後の不安が言われ、頼れないセーフティ・ネットの現状では、潔い決断ができるのは極く恵まれた一部の人たちだろう。
昔、良く身近な人からも
「仕事があるだけでも、幸せなことだ。」
ということを聞いた。それを聞くたびに内心、猛烈に反発していたのを思い出す。それは今でも変わらない。

高野
高野山への道 2 電信柱

冷静に考えてみれば、仕事イコール生きることではないのだから、言っていることには理があるのは分かる。
でも、その背景には深い諦めがあったのを私が感じたからだと思う。

高野山世界遺産の余韻もなくなったように、人出が少なかった。雪が融け切らずに残り、臨時バス待合室の裏手はまだ、新雪のように手つかず。手を差し込むと、サクッとして気持ちがいい。
バスのなかでも聞こえるのは、日本語だけ、
「そうだよな」
と、それからは特に耳をそばたてることもなく、奥の院までのバスにゆられた。
2019年1月1日でした。