パンは焼き目が食欲の友

パン

タイトルとは全く関係のない、昨日に後編。

誤解のないように言うと、自分の位置を守ろうとする人は後輩に教育に無関心なわけではない。矛盾するようだが、細かく手順などを教えるが、相手の経験不足などを理由にコアの部分は避けて通るようにする。教えられる方は事の軽重に判断が付けられない状態なので、敢て問い糺すことができない。
身近な例では、外注業者でやろうが、内部でやろうが、すべての工程で彼の検査が必須となっていた。経験年数を積んでもその状況は変わらず、何年か経つと社内移動で移っていってしまう。

こんな状況は人を変えて繰り返されていく。学生時代に職業に結びつく教育をうけるのは、日本の場合ごく一部に限られる。その是非を論じると、文科系の大学など要らんという極論に走る人もいる。ただ、ここではその話には口出ししない。企業のなかでOJTなどの方法を用いながら、教育で職能を身に付けてゆくのが大勢であろう。教育する側の資質の問題もあるし、受ける側の仕事にたいする考え方も影響するが、仕事と個人が宿命的な出会いをしてしまうようだ。

長く日本では転職があまり評価されてこなかった。終身雇用などそんなに長い歴史を持っているわけでもないのに、職場を変わることは歓迎されてこなかった。そして、一つの企業のなかで、ずっと同じ部署の同じ作業をしている人に上のような現象が生まれるようだ。とても、風通しが良くない環境だ。
私自身、書いていて少し息苦しい思いだ。
「ここを辞めても構わないから、どこでも通用する技術や知識を覚えてくれ」
まだ、社内教育をしていた頃に私が新入社員に言っていたこと。どれだけ伝わっていたのかは、不明だが今も私の思いは変わらない。