住みにくいかこの世は

漱石は「草枕」でこう書き出す・

山路を登りながら、こう考えた。
智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。意地を通せば窮屈だ。とかくに人の世は住みにくい。
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人の世を作ったものは神でもなければ鬼でもない。やはり向う三軒両隣りにちらちらするただの人である。ただの人が作った人の世が住みにくいからとて、越す国はあるまい。あれば人でなしの国へ行くばかりだ。人でなしの国は人の世よりもなお住みにくかろう。

漱石は50にして逝去した。この文章のあと、35歳にして、人生の裏表に気づいたようなことを書いている。

ミカン
2本しかない道端の畑

「少子高齢化」
この言葉で表現される問題で、切迫した対策が必要なのは何なのだろう。高齢化をせき止める方策はないが、少子化には継続的な施策が必要だし、放置されてはならない問題だと思う。
真剣に対策を考えるとしたら、入管法も含めて、広範な対策が必要であり、即効性のあるものでもない。が、避けて通るとこができない問題の筈である。

老人が一人で僻村で暮らしているのも、辛いが、古い学校で生徒が一人で勉強している姿は辛いというより、暗澹たる気持ちにする。
「研修生」が都市を目指して、田舎から逃亡しているというニュースがあった。「研修生」も逃げ出す程に荒廃した地域を活性される、それがほとんどの対策の大きな解決策ではないだろうか。

私たちの世代は数十年前に、この「研修生」たちと同じように、都市を目指したのだということは理解している。