停電。アマゾンの地へ

今年最強との評判(?)で21号が直下した。
その被害報告会ではない。
ベランダの屋根が飛んだ。無残に骨組みだけ残して、青空直下だ。
午後2時頃に停電、その後パッと明かりがと思ったら雷鳴で夜中まで点かず(12時くらいに点いたようだ)。懐中電灯や携帯の灯りも試したが、結局ローソク。ローソクの下での夕食はオール電化の我が家では火がなく、冷えた飯にあるものをのせて掻き込んで終わり。いかに夏とはいえ、水風呂も懐中電灯の灯りでは寂しく、早々に布団の中へ。

布団の上で、これも懐中電灯下での読書。蛍雪時代以来などと懐旧にひたる程のゆとりなし。
今、自宅で読んでいるのは「ノモレ」
NHKスペシャル「最後のイゾラド」から生まれたノンフィクションで、ペルー・アマゾン村長の先住民をめぐる話。これに停電の話は関係ないが、大きな世界のうねりのようなものが感じられる。「ノモレ」とは同朋、仲間というような言葉らしい。その言葉を糸のようにして歴史の中で翻弄された同じ仲間を手繰りよせるようにして惹きあう。(まだ、途中なので、これくらいしか書けない)
停電の中で読むと、ジャングルの水辺で向き合う「ノモレ」が目映く思えてくるのが不思議だ。

風や雨も4時から5時くらいには小康状態になった。外から人の声は増えたと思ったら、落ち葉やその他の飛来物を掃除しながらの「大変だ」話の始まりであった。台風で洗い流されたように暑気は去り、むしろ清々した大気であった。少し、箒を動かしながら、「真面目だなあ」と感慨にふけっていた。(その時は、ベランダの屋根が吹き飛んでいたことなど、露知らず)

風が強い時などは、少し危機を感じて、走り回っていたりしていたが、夕方からはすっかり諦念(?)したのか、ソファーから薄眼を開けたり閉じたりしながら、ファイトは人間達の仕草を観察している。

夜行性には停電は苦にならないようだ。