2011-2019

本の表紙

「私たちの国で起きていること」
2011年から、ほぼ10年間の時評である。いつも、分厚い本を著く大学教授の小熊英二の朝日新聞の論壇時評
1篇が短く、語り口もいつもより平易で、読みやすい。興味あるものをつまみ食いでもいいので、読んでみて欲しい。10年は話題によってずいぶん昔だったり、最近のことのようだったりと、記憶には濃淡があることを改めて感じさせてくれる。

その中の1篇
「被災地と向き合って」(2016/3/8)
東日本大震災の復興費用には、10年間で計32兆円が見込まれている。これは被災者1人あたり約6800万円に相当する。だがその多くは建設工事に使われ、被災者の生活再建に直接支給されるのは約1%にすぎない。
 問題の根本的原因は、高度成長期に形成されたインフラ整備中止の復興政策のコンセプトが、現代に適合しないことだ。だがここで問いたいのは、政策の是非ではなく、なぜ被災地のこうした事態が、これまで十分に報道されなかったのかである。

この連休は電車が空いているので、絶好の読書タイムである。
座れるか座れないかの微妙な混雑ぶりが毎日であってほしいもの。

海時々、カメラを持って近くを散策するのだが、今日は朝早くから、子供の声に交じって、大人の野太い声が聴こえる。少年野球の指導者の
エーーーーーーッ
という尻上がりの声だ。サッカーだとこんなかけ声はないよなあ、と独り言。
空がきっぱりと青く、さわやかだ。