医師の働き改革

羊

80時間、一般労働者の過労死ライン。
一般労働者の場合、これを越えると事業者は医師による面接指導を実施することが義務づけられている。その面接指導をする医師がはるかにそれを越えた残業をしていたなどとは笑話ではないか。

平原
この平らな先には?

私の経験でいえば、半年以上異常な残業を経験したことがあった。最初は緊張感からくる妙な高揚感で、むしろ本人はバイタリティの溢れていたように錯覚していたようだ。ところが、いかに若さがあっても、1ヶ月を越える頃になると、はっきりと効率が落ちてくるのが自覚されてくる。本人が自覚するのであるから、客観的にみたら随分と落ちていたことだろう。目に見えた病気が現れることはなかったが、半年近くなると、身の周りにモヤモヤとしたバリアーのようなものに包まれているような感覚だったのを記憶している。

一時、日本の企業風土では、”残業は美徳”のような扱いをうけたことがあったように思う。ボーナスや昇給の時の評価項目になっていたことさへあったことなど、今では考えられないかもしれない。
管理職は残業手当がつかないから、ある意味残業時間は青天井になる。それも裁量労働の変形だろうか。管理職と言っても、労働量をコントロールできる立場にたつものはその一握りだ。多少の管理職手当と引き換えに規制にない残業を強いられるのが現状だろう。

残業の問題は、80時間の問題を越えて、労働問題の縮図と言ってもいいかもしれない。
これがらの労働人口の減少や海外労働者の活用、生産性の低さや給与所得の伸び悩みの問題、AIの活用、そして地域格差などなど、まだまだ考えるべき問題はある。

”まずは残業をしないこと、少なくすること”から始めるられる労働環境作りが必要だ。