失うものは

目

5日、中国では全国人民代表大会(全人代、国会に相当)が行われた。
昨年は、習近平国家主席の「任期撤廃」いうテーマがあった。
今年は米中貿易摩擦など、景気が冷え込み気配で、2019年の経済成長率の目標は年6.0〜6.5%とやや低めに設定された。
その演説中、李克強首相の大量の汗をぬぐう姿が印象的であった。あの、尋常ではない汗は何を意味するのであろうか。後ろの演壇で不機嫌そうに書類を見るでもなく、議場を睥睨(へいげい)するかのような、習主席とのコントラスト

その後の側近の演説では、
”習近平”称賛の連呼。すかさず、議場から拍手の旋風。
こんな風景にはなって欲しくないと、つくづく思う。

江沢民元首席が居眠りしている姿をとらえてしまったカメラは
すぐに切り替わる。

倒木
台風で無残な姿に

同じ、中国の話。
中国も高齢化が急速に進んでいる。なにしろ、総人口が多いから、65歳以上の人口は日本の総人口を上回り、昨年末で1億6658万人という。
その中で、国の一人っ子政策で生まれた子に先立たれた「失独者」が100万所帯以上だという。

 

堀
倒木が片づけられて、鴨がやってきた

介護制度などのセーフティーネットが未整備で、子どもが親の老後を養う価値観が根強い中国では、頼るものがない「失独者」の苦境が深い。

本来は国が豊かになって、福祉制度が整備されるのが先行する筈だったのだろうが、高齢化が想定以上のスピード以上だった。と、言うのは楽観過ぎるだろう。国家の重大な設計間違いだ。
一人っ子政策の時代、街角に躍った政治スローガンは
「子どもは一人だけが良い。政府が老後をみる」
一人っ子政策が撤廃されたのは、3年前。そして、2036年には65歳以上は3億人を越えるという。