どこへ、そして誰?

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2017年に、行方不明届が出された行方不明者は8万5千人に近いという。
その内、見つかる人もいるので、その分を差し引きすると、それでも年間数千人が行方不明のままという。
また、携帯電話や免許証など身元を示す所持品も残さずに亡くなった身元不明の遺体が全国で年間2万体という。それでも、多くは身元がわかるがそれでも年間単位では100体以上が人定されないという。

周囲と隔絶して暮らす独居高齢者の増加もあり、今後とも行方不明者の数は増える恐れがあるという論説もある。
”少子高齢化”ということのマイナス面を緩和する方策、政策が本当に論議されてきたのだろうか。
「子供を作らないから」”少子高齢化”が進むのだという単純な論理にもならない論で片づけようとする”高齢政治家”には呆れる価値も見いだせない。
かなりの部分は「国策」であった筈だ。そのことの真摯な再検討が必要だった。
社会的な弱者が、いわゆる”消えた20年”の間にどんどん排除される風土作りがされているように思えて仕方がない。

先日、この欄でも触れた橋本治の小さな記事が出ていた。
その中での、印象的な橋本自身の言葉
「15歳の読者でも背伸びすればわかるものを書きたい」
最晩年、野間文学賞を欠席した時の代読で
「今後も原稿用紙の上を一歩一歩歩いてゆきたい」
その受賞作「草薙の剣」。購入して、何故か途中で中断、机の上に載ったままだ。
彼の作品でこんなことはなかったのだが。