筆跡ーもう死語になってしまった?
以前なら、かなりの範囲の人でも、書いた文字を見てその人を特定できたものだ。筆圧まで判断材料にしたこともある。
”金釘流(かなくぎりゅう)”という、流派に所属させられる不名誉を耐え忍んだことなど、今では想像だにできないころだろう。
確かに、今でも筆跡を残すような機会が全く失われたわけではないが、プライベートな場では極めて少なくなってしまったようだ。
少し前、ワープロが世に出たころは
「漢字を書けなくなった」
という苦情をよく聞いたものだが、その段階は疾うにクリアして、今はどんな段階なのだろうか。
道具や方法が変われば、違ったもので個性が現れるようになるものだがら、一つの文化が出現するチャンスだと思うとことだろうし、若い世代はすでにそれを獲得しているような気配さへある。
安いボールペンの中にも、相性を感じてしまう。困ったものだ。