行きつ戻りつ

校門から下を向いて戻る
入学式から、すでに半月あまり。新1年生の心は揺れている
母は校門から50、60m先で見守っている。
私はゆっくり歩いて、新1年生の動きを見ている。校門に辿り着いたのは2度目。でも、まだ校門をくぐり抜けることができない。
まともに、母の方に視線を送ることができないのが新1年生の心を語るようだ。
「早く行きなさい。…….早く、行け。」
母の大きな声が響く。
とっくに、同級生たちの姿は学校に吸いこまれた時間だった。
この子にとって、どっちを向いた方がいいのだろう?

義務教育という制度があって
中学校までは、通学するのが当たり前だったし、その就学率の高さを誇った時代があった。
しかし、子供の貧困率の高さもあって、状況は好ましくない方へと変化している。
子供にとって学校が本当に”育ての場所”になっているのだろうか、と私は疑問に思う。

昨日の続き、今回の”歌集「言がたり」”はなじみが少ない”和綴じ”という製本に方法を採用している。
”ひも”で紙を綴じた、時代劇の文机に載っているようなもの。

一見すると、とても古めかしい手法だが、開いたときの感触がとてもいいと思っている。
手元で是非、賞味して頂きたいもの。