何の唄が思い出させたのか。
唐突に浮かんだ唄がある。ネットで少し探したが、断念。曖昧すぎるから。
父の姉の連れ合い(夫)が何度か酒の席で歌ったのを聞いている。これも定かではないが、確か昔に国鉄に勤めていたように思う。プラスの意味で田舎の雰囲気にあまり馴染まないような身なりの人で、酒の席でもあまり乱れたような印象はない。
その人は、振り付け(今風に言えば)をしながら、歌うのは、数え歌だ。
(歌詞は記憶なので、かなり怪しい、お許しを)
いつわもシンジョ、わしゃ絵は描(か)かぬ
絵描きなどこそ、絵を描いてまいれ
わしゃ絵を描かぬとチャカラチャと構えた
にわもシンジョ、わしゃ庭掃(は)かぬ
庭師などこそ、庭掃いてまいれ
わしゃ庭掃かぬとチャカラチャと構えた
さんわもシンジョ、わしゃ鯖釣らぬ
猟師などこそ、鯖釣ってまいれ
わしゃ鯖釣らぬチャカラチャと構えた
こんなのが、延々と続く。”シンジョウ節”というらしい。シンジョウというのは、地名だと思っていたが、今になってみるとそれも定かではない。(地名だとしても、シンジョウはどこにでもある、ありふれた地名だ)
音の高低の緩やかなので、ゆっくりした手拍子が似合うような民謡調。
それでも、最後の”チャカラチャと構えた”というところでは、決めポーズ。そこで、拍手喝采。
なんでこんな唄をここで、と思う。ふと、なんでこんな時に。
きっと寒さが厳しく、小さい頃、炬燵で小さくなりながら見ていた情景が思い出されたのか。
その後、チャカラチャと構えたおじさんの話は聞いていない。